R50/2
こんにちは。
浜松店 林です。
車検でご入庫頂きました、R50/2。
大変美しく、調子のよい車両で、オーナー様の愛を感じます。
アルファベットが並んだサービスマニュアルをめくりながら作業を進めます。
今回は、ミッションからオイル漏れがあり、
ミッションを降ろして、インプットシャフトシールの交換をしました。
前後サスのダンパー交換も。
分解整備をしていくと、合理的な構造と工作精度の高さに驚きの連続です。
エンジンの始動方式はキックのみです。
各部の造りが本当に美しく、感動的。
490ccのコンパクトなフラットツインエンジン。
メーターは速度計のみ。
メーターの前にある黒い流線形のものがイグニッションキーです。
この時代のBMWの特徴であるアールズフォーク。
ブレーキング時のノーズダイブを防いでくれます。
機能美に溢れていて無駄がありません。
アイドリングは吸気音が聞こえる程静かで、振動もほとんどないので、
信号待ちでエンジンが止まったんじゃないかと不安になります(笑)
加速時は勇ましい音を奏でてくれるマフラー。
組み上げ後の試運転では、いつもの試運転コースが違った景色に見えました。
半世紀前のオートバイとは思えない走行フィーリング、気持ち良さ。
何よりも驚いたのが、車体の安定感と乗り心地の良さです。
フラットツインエンジンがもたらしてくれる圧倒的な低重心感。
エンジンが地面に張り付いてるんじゃないかと思わせる程で、転ぶ気がしません。
シャーシーの剛性感とエンジンの緻密な回転フィーリングは凄いの一言。
ハンドリングは想像以上に軽快で安定していて、安心してコーナーに入っていけます。
重めのフライホイールの回転に乗っかり、淡々と、どこまでも走って行きたくなる。
そんな「旅性能」を、この時代には完成させていたんだと感嘆致しました。